経済条件の緩和を検討する

空室対策として賃料や礼金、更新料等の費用に関する条件を検討することも一つです。
賃料の減額をする前に取れる対策は数多くありますので空室対策としての費用面の緩和対策をご紹介します。
一時金の減額
一時金とは、敷金や礼金、更新料のことを指します。
こうした一時金を減額またはゼロにすることで、入居者の費用負担を減らし周辺の物件と比較検討をされた時に入居のしやすさで選ばれやすくなることで入居が決まりやすくなるのです。
それでは、一時金のそれぞれどのような物なのかを説明をしていきます。

敷金・保証金

敷金や保証金は預り金として、退去時に返還義務を有する一時金です。
住宅では敷金、店舗や事務所、借地では保証金と呼ばれるケースが多いです。
しかし、敷金に関しては、滞納賃料の補填や退去時の原状回復の補填といった意味合いも有するため、余程長期空室に悩んでいる場合でなければゼロにすべきではないでしょう。

礼金・権利金

礼金や権利金は、退去時に返還義務を有しない一時金です。
住宅や店舗、事務所の賃貸借では礼金と呼ばれ、借地では権利金と呼ばれます。
礼金は住宅が不足していた時代に生まれた慣習といわれており、当時住宅不足にもかかわらず部屋を貸してくれる大家さんに対して、感謝の気持ちを込めてお金を持参したという慣習の側面が強いため空室対策としての減額対象に挙がりやすい一時金でもあります。

更新料

更新料は賃貸借契約の更新時に支払われます。こちらも返還義務を有しない一時金です。

更新料に関しては一定期間住み続けてはじめて発生する費用のため、初期費用に含まれない更新料を減額してもあまり入居促進の効果はそこまで期待できないと考える大家さんも多いと言われます。
そのため本当に最後の最後の交渉に挙がる一時金でもあります。

ポイントはアピールのしやすさ

これらの一時金は、必ず受領しなければならないという決まりは無く、法的な規制もありません。
入居者は引越しに際して、多額の費用が発生しているため、昨今は特にこういった入居時に掛かる費用が少ない物件に入居申し込みが集まりやすくなる傾向もあります。

空室が長期に続く物件などは敷金と礼金をゼロにするなどの対応で近隣の競合物件より入居のしやすさをアピールするケースも増えています。対策することに費用が発生しない事もポイントです。

フリーレントについて
フリーレントとは、入居時から賃料を数か月ゼロにするサービスを指します。最近はアパートや ワンルームマンションでもフリーレントを導入する物件が増えています。

元々はオフィスビルのテナントにて多く用いられていたこともあります。
家賃が無料になる期間は1ヶ月〜2ヶ月が多いですが、なかには3ヶ月無料の場合もあります。
オフィスを借りる場合などは半年無料になるケースもあります。
フリーレントは、「少なくとも1〜2年は住むであろう」という前提に立って行われており通常、家賃を値下げせずに行うことがポイントです。

オーナーにとってのメリットは値下げをすることにはなるものの、 募集賃料を下げずに入居してもらえることです。
募集賃料を値下げしない事は他の住戸と同額の賃料を受領できるという メリットがあります。
フリーレントを設けた場合の一例
例えば、同条件の他の部屋で月9万円の家賃をもらっているのに、
空室になった物件の家賃を8万円にして募集してしまうと、
既存の入居者から
「同じ条件の部屋を8万円で募集してましたよね?ウチの家賃も8万円に下げて欲しいです」
という交渉が発生する可能性があります。
隣の部屋が空いていれば、そこはいくらで募集をしているのか?等はインターネットですぐに見ることが 可能で、こういったケースの場合オーナーとしては減額に対応せざるを得ない状況になる事もあります。

フリーレントを設けた場合は
こうなる!

フリーレントであれば、募集家賃はそのままでの募集になり、 こういった交渉も発生しづらくなります。 よって家賃を減額する前に、フリーレントを先に検討した方が無用な トラブル等も起こりづらく、入居希望者にもアピールが出来るでしょう。